BottleDream

2019/09/28 18:30~21:00

4月20日に続いて2回目のBottleDreamを開催いたしました。お越しいただいた25名の皆様には改めて感謝申し上げます。そして、嶋田シェフ、千葉ソムリエと 水野シェフの3方、たいへんお疲れ様でした。
三河のご当地食材を二人のシェフが正統派のフランス料理に仕立て、そこに、下記を念頭におき、
ⅰ)料理への期待を彩る「華やか且つクリスピーな香り」の スパークリングワイン。
ⅱ)香味豊かなオードブルやポタージュと対等な、スパイシーで 香り豊かな白ワイン。
ⅲ)魚とも合わせることができる柔らかくジューシーな赤ワイン
ⅳ)酔いで痺れつつある味覚&嗅覚を呼び覚ます濃厚な赤ワイン
カリフォルニアから名実ともにトップワイナリーのワインを千葉ソムリエが選びました。 今回のテーマは、『アメリカントップワイナリーと地元食材で秋の夜長を楽しむ。』アメリカントップワイナリーとしてチョイスしたのは、カリフォル ニアワインのシャンドン社、カレラ社、ロバートモンダヴィ社のワインたち。

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また、「料理とワインのペアリング」についても事例を交えながら解説をしてもらいました。マリアージュという用語は日本以外ではほとんど使われていないという事実に新鮮な驚きと興味深いものがあり、参加者の皆さんもいろいろ質問をしていました。

このBottleDreamを開催するにあたり、事前打ち合わせ、暫定メニューの作成と、8月上旬に料理メニューと合わせるワインを選び、8月29日に試食会を行い、調整を行いました。
Placeholder image乾杯はブリュットクラシック。シャンパーニュNO1のモエ・エ・シャンドンがナパバレーに1973年進出し、設立から約35年間、伝統的なシャンパーニュ製法によるクラシックなバランスを誇り、継ぎ目無い果実味、ナッティなフレーバー、ドライなフィニッシュなど、変わらぬスタイルを守り続けています。

料理素材は、その時点で旬の素材を使うが基本なので、最終最後まで調整いたしました。このBottleDreamでは、素材は可能な限り豊田市産のものを使い、それでも無理ならば愛知県産へ広げるというのが基本です。
9月末ということで、香茸(こうたけ/とても香りの強いキノコで、この辺りだと稲武で採取できる)を採ってきて、食べていただこうと考えていましたが、9月に入ってから 雨が不足しており、まったく採れませんでした。余談ですが、キノコ類は、落雷によって発芽すると言われており、時期を合わせる難しさを痛感させられました。地産地消とはよく言われますが、言葉でいうほど簡単なことではありません。 また、フードマイレージなどといわれますが、<距離が短い=安い>ではないことが、より世界を歪曲させています。
Placeholder imageオードブルにカップリングしたワインは、シャルドネ・セントラル・コースト2015。カリフォルニアのロマネコンティと 評されるカレラ。濃く味わいが強いアメリカのワインの中で、同社は設立当初よりブルゴーニュスタイルのワインを造り続けています。代表的なピノ・ノワールとともに、このシャルドネも秀逸です。ハチミツのような甘い香りの中に、酒樽の素材であるオークのニュアンスも加わります。

このBottleDreamで使った野菜は、玉ねぎ、さつま芋、ジャガイモ、長ナス、ズッキーニ、パプリカ、ピーナッツかぼちゃ、そうめんカボチャ、柿(大秋柿)は豊田市内で生産されたものです。最近は調理器具の発達もあり、 低温調理をメインに行いました。

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なぜ低温調理を行うか?という問いですが、嶋田氏曰く、何といっても素材の旨味を閉じ込めることができるからです。野菜本来の甘みや、旨味をダイレクトに感じていただけます。素材本来のうまみだけでおいしいのならば、 他の味をプラスする必要はないでしょう。

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ポワソンにはカレラのピノノワール。漫画「ソムリエ」や人気TV番組でも「ロマネ・コンティ と間違えられた」、「100万円のロマネ・コンティに双璧」と 紹介されるなど、センセーショナルに登場しました。 このスタンダードワインも有力ワイン専門誌が92点と高評価。滑らかな口当たりに、とても密度の濃い、凝縮された味わいが、ブラックベリーやイチゴの風味と円やかな苦味とともに広がります。余韻にはジューシーな味わいが長く持続します。

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ポワソンの鮎は、新城市にあるアユセン様から仕入れました。ここはハーブを配合したエサまで自家製造しており、鮎にストレスをかけない育成環境で育成していることでも全国的に有名です。身は透き通るような美しさでカルパッチョでも 頂きたいほど新鮮です。ヴィアンドに使った段戸牛のハネシタという部位です。程よく入ったサシと赤身のバランスが良く、上品な味です。鴨は豊橋産の鳥市精肉店さんから仕入れました。あいち鴨というブランド名でこだわりの環境下で 育てられています。 鴨肉を下ごしらえして、そのガラを焼き、フォンドボー、香草、赤ワイン、ビネガーを煮詰めてソースとしました。
ペアは、アメリカワインの父ロバート・モンダヴィの看板ワイン。ヨーロッパの洗練されたワインはすべてオークの小樽で熟成させているという事実に注目しワイン造りを始め、以来、素晴らしいワインを世に出し続けています。牛ハネシタと鴨肉という強い個性に、甘い香りと対照的な黒胡椒やロースト香もする複雑さを持ち、アルコール度数も高い芳醇なワインをマッチングさせました。際立つ個性同士がうまく同調しました。
Placeholder image ワインは熟成期間が長いほど、高価になりますが、おいしい料理も、長い時間を必要とします。低温で熟成され、うまみ成分をたっぷりと蓄えた状態でお出しする。 BottleDreamでは、最初に決めたこの基本を崩さず、次回に繋げていきたいと思います。

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