日本に伝わる美意識を表現する言葉に『わび・さび』があります。これは『侘しさ・寂しさ』という日本語に、より観念的な意味合いを加えた概念です。『さび』は、見た目の美しさについての言葉です。古い家屋の柱のように、時間とともに劣化します。しかし、その変化を愉しみ、多様で独特な美しさを表すのが『さび』です。『わび』はさびれや汚れを受け入れて、楽しもうとするポジティブな心についての言葉です。『さび』の美しさを見出すのが『わび』というわけです。そして、ぱっと見、地味な姿の中に実は絢爛豪華な美があるのだから、それを見出しなさいということを『やつしの美』といいます。足助屋敷の炭焼きで焼いた竹炭を使い、自然の野の花を生け楽しむ。これにぴったりの言葉が『やつしの美』なのです。

 
 

足助屋敷の炭窯で焼いた竹炭の花器です。炭ならではの陰影をお楽しみいただけます。

 
 
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何気ないところに美を求める日本の心にふさわしい花器です。あたりまえなのですが、風合いはどれ1つとして同じものはなく、それぞれ違った趣があります。